「ひたすら旅行に行きたくなる」 井伏鱒二の『文人の流儀』を読んで
睡眠を休憩と呼び、タスクを研究と呼ぶ。
起床、睡眠を経たあくる日、これを1日と捉えない。常に研究中という心持ちで睡眠を休憩時間とする。そうすると、常にスイッチはONになる。
常にスイッチをONとすると、いつかエネルギーがなくなり力尽きるように思う。
しかし、常にスイッチONはスイッチにOFFがないと同義だ。比較しようのない、つまり、スイッチ自体の存在が無とされるのだ。
プライベートと仕事を分け隔てなく生きたいばかり。
良き意味で公私混合を願う。タスクを研究と捉え、睡眠時間を休憩時間とする。
1日1日に区切りがあるわけではない。旅は続く。
内容の変化はなくとも、視点の変化だ。
井伏鱒二 文人の流儀
ここで視点の変化をくれる文人の流儀のご紹介(´Д` )パチパチ
これは井伏鱒二さんの随筆。
松尾芭蕉の跡をたどり旅行いってみたり、釣りしたり、人生を楽しんでらっしゃるなと。井伏鱒二さんの小説は2冊ぐらいしか読んだことがないけども。
随筆でも綺麗な文章を書きはるなと。
この本を読むかぎり時間がゆっくり流れていると感ずるわけです。
松尾芭蕉の跡をたどる旅で栃木県の那須に行って、殺生石を見る場面があります。
なにやら中国の大狐が日本に来て、悪さをして、朽ち果てて殺生石となったそうな。
殺生石の周辺からは硫化水素や亜硫酸ガスなど、有毒ガスが出ているそうな。
昔はこの辺りで人や動物が亡くなると、石に宿る霊の仕業とされていたそうな。
ほうほう。
そういった言い伝えを知ると、その場所に行きたくなる。
あと、井伏鱒二さんと旅行に行ってらっしゃる方のキャラがとてもいい。なんというか、クレイジージャーニーのスタッフみたいな(´Д` )笑
やりとりがとてもいい。
旅行に行ったり、釣りを楽しんだり。
また、身の回りの何でもない生活を描いていたり。
ふとした一文を覗いてみよう。
ヤマメは餌が不自然な流れかたをすると、すぐに不審を抱いて下流へ行って様子を見守っている。 動作は実に敏捷だが、気分的には非常に懐疑的であると共に妥協を許さない。
文人の流儀か。
そして、当たり前ですが描写力がすごいなと。
奇をてらった感じは全くないのだけど、見たものを的確に描写しているなと。
自然に頭に風景描写をぶちこまれる。何はともあれ読むと自然に触れたくなる、旅に出たくなる一冊でございやした。
よく考えたら47都道府県ほとんど行ったことねぇ。
ああ、日本旅行に行きたし(´Д` )