日記

ある日、おじいちゃんに「客観性に収斂せよ」と説かれ、言葉の存在意義を考え始める。言葉の持つ諧謔性・残忍性・恣意性に導かれる。 - 総合芸術家集団「auly mosquito」 代表 http://auly-mosquito.com ・HomePage http://so-sasatani.com

『割り当て』

2019年08月04日

 

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あちらとこちらを隔てる黄色の柵。塗料が剥がれ錆びついた鉄がみえる。すぐに乗り越えられるその柵は、何もしていない。整備員が深夜に分電盤を調整するために近づくが、特に気に留められることもない。思い浮かべられない存在に価値などはないのだろうか。比べて、電車は多くの人々を運び、交通網として最上位に立つ。

 

人々はただ移動するだけではなく、そこで用事をも済ませる。文明の利器は人間の生活に溶け込みあっていく。動く車窓から見えるマンションの光、信号を渡る老婆、便利さは日々の暮らしの小さな発見を吸収している。