何かしらの香水の香りがひたすら漂うような映画
「回廊日記」 2021.05.23
『シングルマン』という映画をみた。バタバタとしながら見たので、全くもって集中してみれていないが、何かしらの香水の香りがひたすら漂うような映画だった。映像にもセリフにも常に含みがあるような、繊細なのか適当なのかわからない捉え方の幅を広げている印象を持った。一概にはくくれないがファッションデザイナーの方だからこそ創れる、香りが漂う映画なのかと、とりあえず思った。
「捉え方の幅」というのは、監督の脳内の幅そのものであるのかもしれない。
背伸びをしてでる雰囲気ではなく、勝手に出てしまう、無数の思考や感覚によって醸し出されたオーラ的なものに近いのかもしれない。オーラの泉。
後、映画に登場した犬は、トム・フォードとリチャード・バックリーが実際に2人の自宅で飼っている犬だそう。なるほど、フォックステリア。
視覚的要素や聴覚的要素で作品を捉えたりするが、あまり嗅覚的要素で捉えたことはなかったので、"香り"という軸で作品を観れたのは完全に乙。よく考えれば、斉藤和義さんみたいな色気も香りという要素から捉えられそう。香水などの香りに関しては無頓着であったが、なかなか興味深いことが多そう。やっさんからグレン・サリバン著の『酒が語るアメリカ裏面史』という"酒"の観点で歴史を語る本をいただいたが、同じように"香り"という観点で物事を見つめ直せば、違った感覚に出会えそう...第六感より。