Angiosperms「継ぎ目」
2019年6月14日
無花果は被子植物だ。胚珠が子房の中に収まっている。むき出しにされず、時を待ち、誰の目にも触れずに、それでも自己を見出し、複製とは違った方法で将来は種子となる。紙とペンで効力を成す確約的な契約とは違い、隙間を度々に与えられている。
子どもが葉に水をやる。君の感じた瞬間的な、すべてから分断されたその感性は、情景や創造力へと転換できる。その行為は位置の移動で維持するための思想にあらず。
一粒の水がぽとりと葉に落ちた。継ぎ目の見つからない定型的な表現は、ソフトウェアを意識しないシームレスなシステムのごとく。導くことと縫い付けることの違いは、浮かぶ映像に対して、外部からの刺激により動いた同一なる点を除き、その固有振動数を育む。