日記

ある日、おじいちゃんに「客観性に収斂せよ」と説かれ、言葉の存在意義を考え始める。言葉の持つ諧謔性・残忍性・恣意性に導かれる。 - 総合芸術家集団「auly mosquito」 代表 http://auly-mosquito.com ・HomePage http://so-sasatani.com

「雨粒」

雨粒

 

窓に雨粒がついている。それは空から垂れてきて、偶然にくっついた。

街を見下ろせる場所には透明な窓がある。そこから覗くと、画一的に配置された向こう側の窓の模様が変わる。雨粒を通して見ると、真四角の窓にひびが入っている。

向こう側とこちら側のものを互いに重ねてみる。対称になることなしに、幾つも通り過ぎる。誰かとの間柄みたく。

雨は無造作に方向を定めず降り続けた。傘に小さな穴が空いていた。雨粒が肌にひっついた。少し髪の毛も濡れていた。水溜まりを避けて歩き目的地へ向かった。
大半の雨粒は地上に降り注ぎ、迷惑がられたり、有難られたりする。

もうすぐ彼の家の前に着く。

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