心の琴線に触れる、それぞれ美しいもの。
1.バイオリン、チェロ、コントラバス、弓で弦を擦る楽器たち。いわゆる擦弦楽器は、懊悩とした感性を引き出す。気を緩めていると涙が頬を伝う。
2.暗くなった街、あたりに人気がなく、静謐である。その中に暖色の光。平凡で穏やかな時間が流れる、最も普通の家を照らす。
3.圧倒的な数が等間隔に配置されている、あらゆるものにおいて。椅子でも、車でも、人でも、模様でも、一糸乱れずに、協調と無個性は別問題と言わんばかりに。
4.他の心と触れ合い、底から笑い、その時間に飽きてきたころ。互いを推し量り尊重する。たまの傷も誇らしく思える。
5.立派な緑色の葉の残像、いつまでもそこに居残り、脳裏に。粗を探すまいと踏ん張る分析家。幻想かもしれない美徳に生かされている。
心の琴線に触れる、それぞれ美しいもの。