心象記 -異花受粉-

ある日、おじいちゃんに「客観性に収斂せよ」と説かれ、言葉の存在意義を考え始める。日々、文字を連ね言葉の持つ諧謔性・残忍性・恣意性に導かれる。結果、物書きとなる。

軽い小説

『祖母と断片』

机の上に置いているビスケットは、ずっと食べられないままだ。

『育んだ暗号』

人々の少し先には、話す喜びがある。暖かな対話に包まれていくのだろう。主人公を譲る癖もいつもと同じ。

『巡回』

雑に書かれたそれらの文字はまさにミミズのようであった。

心の琴線に触れる、それぞれ美しいもの。

幻想かもしれない美徳に生かされている。

「夏、この手紙を何度、読み返したことだろう」

小さなラジオカセットが置かれていて、音楽が流れてて店内はいつも陽気なの

小話 「へい、やつ吉」

夜は深くなり、一定の周波数を知る、虫たちが踊る。

内なる愚かさに

それはある種の経済活動であり、人間らしくあり、嫉みを持ってしまいます。

鬱蒼とした森

都会では見知らぬ命があり、夜には梟が飛び自由を謳歌する。

「ドクターオニオン 」「六月の雨」 短文随筆の二本立てだよ!

「堀りにいきたい、玉ねぎを!」

『潤色の市』 1000文字小説

制作意欲の明確な魅力は鋭角に破局を促す。その頭に浮かんだのは音のことだろう。

随筆 『淵』

円柱状の材料をぐるりと回し、刃を当て削っていく。中心は削ぎ落とされ歪な形となり得よう。

『情愛』 1000文字小説

振り返ってみてもなんでもない日の単なる思い出だ。それから、随分と親しくなった。彼女にとって僕はおさまりがいいのだろうか。ふと浮かぶそんな疑問もどんどんと流れていく。

随筆『黄泉、眠る』

愛情の側で打ちひがれ夜をぶらつく。明確な虚構に手綱を預け、鉄格子に寄り掛かり微睡む。人々を運ぶ時代は朽ち果て、詠み人もしらず想像の中で謳う。

随筆『人間であるとともに動物やからね』

けんしろうはおもむろに席を立つ。ポケットから小銭を出し「ほな、おおきに」と言う。彼との会話は多くはない。ただ、「投げるのではなく紡ぐ」真理を伝える人の言葉は重く丁寧だ。

随筆『街への問い合わせ』

そうして、街は少しづつ形らしくなっていく。朝、子供たちは韋駄天のように走り回る。踏みならされた地は何処へと継承する。プラットホームの人だかり、警笛を鳴らし過ぎさる急行列車。

『端っこの父』   1000文字小説

千佳は、自分のためだけに取っておいたプリンを冷蔵庫から取り出した。「おぅ、これこれ!」プリンを手に取る千佳の姿は立派に父に似ていた。

ライブハウスでフランクフルトを売っていた女の子の話

街灯の明かりがポツリポツリと照らす夜のピクニック。友人の大貫くんがおもむろにギターを弾き始める。ふにゃふにゃした女の子は恥ずかしそうにしながら、唄を歌ってくれた。その歌声は夕闇の風に包まれ僕の心を受け入れてくれた。いつの間にか、ふにゃふに…

『丸と四角』 1000文字小説

僕はそれを受け止めようと思うが、どうにも気分が乗らない。夕焼け雲の前を通りすぎるトンボは丸い。でも、視界からすぐに消える。辺りを歩き四角を消しても別の四角が浮かび上がってくる。

『別種の三郎 』 1000文字小説

もう一人の自分。同じなのにそれは異種である。演じることも切り離すこともできずただ輪郭を持つ。内在や顕著とは分別された存在なのに。ドッペルゲンガーのような乖離した自我を認めよう。

『列車』 1000文字小説

列車内には「ひたすら無心で、ただ、ひたすら無心で」と呟く老人がいる。その老人は座席に座り、うつむいている。

『散歩』  1000文字小説

そんな彼女も27歳になり結婚を考える。男女の隔たりなく人と付き合い、ずっと習っていたポーセラーツも板についてきた。なのに、自分で絵付けした皿だけが増えていく。夏希は気分を晴らすために、散歩に出かけることにした。

『追憶の渦の中に』 1000文字小説

所せましと塑造がぶつかり合うことはないのだろうか。 追憶したところで輪郭はぼやける。 「輪廻転生?笑わせやがる、数十年前のあいつと俺が一緒ってことかよ。こっちは赤ん坊の記憶すらないんだ」 「だからこそですよ。私がここにいるのは」さびた鐘を鳴ら…

『労働と終着駅』 1000文字小説 

「それなら別の方法で良くて?」 「何だか締まりがないよ」 彼は手をこすり合わせながら嘆願するように再び彼女を眺めた。目はピクリともせず、ピンと張った背筋は彼女そのものを表している。

『地下の砂漠』 1000文字小説

「足を進める以外に選択の余地はない」 砂漠にいる旅人は、闊歩しようとするが砂に足元を掬われる。 蜃気楼さえ見えないその場所では、ラクダもうなだれ首を曲げる。 その時、どこからともなく砂嵐がやってくる。 砂嵐はぽっかりと丸い穴を作った。大量の砂…

『ガラスの巡り合い』 1000文字小説

クォンティは端正な顔立ちをしており、生活音にリズムがあるほど規則正しいのである。

奇怪!?銀座に忍者現る!  (日常のなんでもない一場面を小説風味に・・)

異質!否・・「体で表す常套句」そう言わんばかりに友人が忍者の格好で出てきた。

『快も不快も洗いざらいの人間交差点』 高円寺路上ライブ 

とどまる音楽と行き交う人々の対話。

『0と1の世界』 1000文字小説

画面越しに綺麗な風景を見つけて、「海外に行ってみたい」と一瞬は心を弾ませるが、それもその場限りの情緒だ。

『前者に喝采を、後者に叱咤を』 1000文字小説

『前者に喝采を、後者に叱咤を』 君の内臓をえぐりだす、選りすぐりの言葉たち。 対象は実証を要し、次のステップへと進む。見出されたものたちと、戦わずして消えるものたち・・前者に喝采を、後者に叱咤を。 「マスター、キューバリブレを一杯・ ・」ラム…

『26歳の男』 1000文字小説

『26歳の男』 部屋の右側に置いているスピーカー、そこから聞こえてくるスネアに体を合わせてみる。その強調されたスネアは、力技でドアを開けようとする子どものようだ。 「貯蓄されたエネルギーを外に掃き出そうとする」、それは等間隔で耳を刺すスネアに…